環境問題の原因と影響を分かりやすく説明 地球温暖化 酸性雨 オゾン層の破壊 熱帯雨林の減少 砂漠化
①国境を越える環境問題~地球温暖化とその影響
②酸性雨 <pH5.6以下の雨>欧州では「緑のペス ト」ともいう
(1)原因
- 工場や自動車,(化石燃料)の燃焼で放出される(確黄酸化物)や(変素酸化物)が,空中で硫酸,硝酸となり雨水<強い酸性の雨>として降ってくる
(2)影響
- 森林が枯れる → 酸性の雨に耐えられず,ヨーロッパ各国で被害
- 水が酸性になってしまう → 湖などの魚が死ぬ
- 石造り<大理石など>の建物や石像が溶けてしまう土壌が酸性化し,農作物や地下水に影響を与える
- *ドイツ:(シュバルツバルト)の針葉樹く黒い森>の立ち枯れ
- *スウェーデン:森林の枯死・氷河湖の酸性化く石灰散布で中和>
- *カナダ:(さとうかえで)<メープルシロップの原料>が被害 死湖化
- *中国:石炭使用が大きく(空中鬼)と呼ぶ酸性雨が拡大 四川省の森林被害
③オゾン層の破壊 オゾン層:成層圏に広がり,太陽光に含まれる有害な(紫外線)を吸収し,生物を保護する役割
(1)原因
- スプレーの噴射剤 冷房機器の冷却剤·半導体の洗浄剤などに用いる(フロンガス)が成層圏に達し,強い太陽光線を受けて分解し,塩素を放出→オゾン層破壊
- *オゾンホール:1980年代初頭から,9月~11月までを中心に,南極域の上空のオゾンの全量が著しく少なくなる → オゾン層に穴が開いたような状態
(2)影響
- 南極上空で(オゾンホール)の拡大が観測
- 有害な(紫外線)増加による(皮膚がん)や白内障,遺伝子異常が多発
- 植物の種の絶滅が懸念く光合成が妨げられる>
- (免疫能力)の低下く病気にかかりやすくなる>
④熱帯林の減少 熱帯林の役割:(光合成)による大気の浄化,(保水作用)による水循環など地球環境に大きな役割
(1)原因
- (商業的大量伐採) → 先進国への木材輸出→輸入大国(日本)への避難
- 過度な(焼畑)耕作
- 田畑の開墾,(過放牧)<肉牛の放牧>
(2)影響
- 先住民の生活破綻 → (土壌侵食),洪水の発生
- 生物種の減少,絶減
- 土地が荒れる → 表土流出 → 植物の生育は不可能となる
- 気候が狂う:森林の減少で(二酸化炭素)が増加し,(温室効果)によって地球の(温暖化)が進む 森林が貯えることがなくなるので,蒸散が減少し, 地球全体の降水量の減少や乾燥化が進む可能性が高い
⑤深刻化する砂漠化 砂漠化:気候变動や人間活動などによって,土地が劣化し生産カが失われること
(1)原因
- 気候的要因<自然的>:大気循環の変動により乾燥地が移動し,乾燥化が進む
- 人為的要因(人口急増)による(生態系)の破壊が最大の要因
- (過耕作)→地力の低下や表土流出
- (過放牧)→草木が食べつくされ草地の再生不能
- (塩害)<農地の塩類化>→過剰な灌漑や地下水の利用により,塩類集積
(2)影響
- 地球の陸地全体の約4分の1が砂漠化の影響
- (サへル)の砂漠化<サハラ砂漠南縁> → 家畜の死滅。耕地の減少 → 食糧不足飢餓や餓死(創餓難民).(環境難民)を大量に発生
- *先進国での砂漠化: アメリカやオーストラリアでは,過剰な灌漑→(塩害)の発生 大量生産や効率重視の企業的農業における過剰な農薬や化学肥料の投与 → (地力の低下)等高線耕作の手間を省く → (表土の流出)などの問題が起こっている
⑥地球温暖化
(1)原因
- (化石燃料)<石炭石油天然ガス>の燃焼によって排出された(二酸化炭素)やフロン·メタンなどが(温室効果ガス)となり,地球の温暖化を引き起こす 温室効果:温室のガラスは太陽光を通すが,温室内からの赤外線は通さないので,温室内の空気は外気より暖まる。この温室のガラスと同じような効果のことをいう
(2)影響
- *(気温の上昇) 氷山や氷河が解ける → 海面が上昇する → 海に面した低地が水没したり,低平な国土の島国が水没するおそれ
- <オランダの(ポルダー)(ナイル川)や(ガンジス川)のデルタ·モルジブのサンゴ礁や(ツバル)の水没>
- 地球規模での(気候変動):千ばつや豪雨などの異常気象 → 作物の生育環境の変化 → 農業にも大きな影響や食料不足
⑦その他の環境問題
- *(大気汚染):浮遊粒子状物質<SPM>の中でも(PM2.5)<微小粒子状物質>は,粒子が細かいため,偏西風に運ばれ周辺諸国にも被害を広げている*
- (海洋汚染):陸からの栄養塩類や有害物質の流入,船舶の航行や石油開発に伴う原油の流出,廃棄物の海洋投棄や洋上焼却 → 赤潮,海洋汚染発生 → 海洋生物への影響
- *(放射能汚染):放射性廃棄物や原発事故による放射能漏れ 核実験 核搭載船 の事故などによる汚染の心配 ビキニ環礁.ムルロア環礁での核実験 ※ (第5福竜丸事件) (スリーマイル島),(チェルノブイリ)の原発事故 <1973年> <1986年>
- *(ダイオキシン汚染):ゴミ焼却施設などから排出され大気や土壌を汚染
・有機塩素化合物で成分は分解しにくく,体内に蓄積 → 発がん性.催奇形性
・内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン) → 生殖機能や免疫機能を狂わせる
- *(野生生物の減少):熱带林の減少,乱獲,侵入種などが原因 → 種の絶滅の危険性